オミクロン株を中心とした新型コロナウィルス感染第6波を踏まえた対応について

 

 

オミクロン株を中心とした新型コロナウィルス感染第6波を踏まえた対応について

                                      令和4年2月25日

                                   (公社)東京都山岳連盟

                                       会長  松本敏

                                      顧問医師 沖陽輔

1,3月6日(日)までのまん延防止等重点措置の期間、事業停止を延長します。

 なお、措置がさらに延長された場合は3月7日(月)以降も事業停止を継続を予定します。

<まん延防止等重点措置での要請>

項番(4) 外出・移動についてから抜粋

・措置区域において、法第24条第9項に基づき、混雑した場所や感染リスクが高い場所への外出・移動の自粛及び感染対策が徹底されていない飲食店等の利用を自粛すること等について協力の要請が行われますので、協力してください。

・また、不要不急の都道府県間の移動、特に緊急事態措置区域との往来は、極力控えてください。

 (注)ワクチン・検査パッケージ制度の適用として対象者全員検査を受けた者は、その対象としないことも示されているが、現状では3回目のワクチン接種は始まったばかりであり、また検査キットの入手が困難となっており、この制度の運用は一般的には難しいと考えられる。

 

2.再開時の扱いについては、感染状況等を評価・検討の上で3月1日理事会で決定を予定します。

  今後、まん延防止等重点措置の解除がなされても、当面の間は1事業ごとに三役と担当理事の協議により実施の可否並びに実施方法などを決定する方向で検討を予定しています。

 

なお、2月中に担当部門から3月6日までの重点措置期間中において条件・制限付きでの一部事業の実施の要望があったが、三役で検討の上で中止を要請いたしました。

 

<現状の評価と上記判断の理由について>

Ⅰ、感染拡大とその影響・今後の見通し

 (1)第6波感染者数推移と見通しの難しさ 

   国内、及び東京都内の新規陽性者数は、2月初旬でそれぞれ9万人超/日、2万人近く/日で推移、2月中旬から下旬にいたり感染者数は漸減しているものの、高齢者と基礎疾患のある者の重症化。幼・保、小、中、高での学級閉鎖、休校は高止まりしており、高いレベルでの感染が継続している。

第5波までのシンメトリーな拡大と減少とは異なり、第6波の感染レベルは高止まりが続く傾向にあり、いつ収束していくか見通しが難しい。

  ※都内で新規感者が5,000人を超えたのは1月18日、そして10,000人を超えたのは1月22日とわずか4日で倍増。しかし、その後、高止まりが続き減少に転じたものの収束まで時間がかかる可能性が高い。

 

 (2)市中感染者の存在=感染リスクの高まり 

    陽性率の高さ、また検査件数が上限に近いことから、これまでよりもかなり多い数の検査を受けていない無症状者感染者や軽症者が市中にいることが想像される。感染していることを認識していない無症候性感染者や軽症者がこれまでより多くいるため、従前より感染リスクが大きくなっていると想像される。

 

 

(3)感染者数増の医療への影響⇒既往症悪化の増加・医療ひっ迫 

   第5波までの感染者が肺炎を起こし重症化するパターンとは異なり、オミクロン株では影響は上気道に留まっている。

しかし感染者が大幅増加し、量が増大することにより質が転換し、新型コロナウィルスに感染した基礎疾患のあるものが既往症悪化により重症化するケースが多く、医療ひっ迫が顕著となっている。結果として、怪我やコロナ以外の傷病での入院や手術が困難となっている。

(4)新型コロナウィルス感染による後遺症への懸念

   オミクロン株による新型コロナウィルス感染症の症状の多くは「風邪、インフルエンザ」並みであるものの、中には自宅療養中の症状悪化・死に至る例も出ているほか、従来株同様に強い倦怠感の継続、味覚・嗅覚障害などが確認されている点にも留意が必要である。

 

Ⅱ.登山における新型コロナウィルス感染リスクの評価、指定感染症2類としての対応負荷 

(1)登山における感染リスクの評価と救助・医療体制への考慮

  登山行動中は呼吸数が多くなり、また呼吸も深くなることから、マスクをしていても空気感染もあるとされるオミクロン株が主流となっている状況下では、隊列を組んで大人数で行う集団登山はそもそも感染リスクの高い行為と考えられる。

また、現状のように医療機関がひっ迫している状況下での遭難事故や体調不調者が出た場合には救助組織や地元医療機関への負荷も大である。

(2)指定感染症2類としての対応負荷への考慮

   第6波感染拡大下での陽性者体験談などからは、いつ・どこで・なぜ、感染したか不明であることも多い。家庭や学校職場などでの集団感染の一方で、感染対策のちょっとした隙間をぬうように市中感染が起こっているものと考えられる。

   そして感染すると、現在は指定感染症第2類であるため、陽性で療養(入院、宿泊療養、自宅療養など)、濃厚接触で7日~10日の自宅待機となり、家庭や職場への影響が大きい。

 ※2月11日NHK報道資料「都内は80人に一人が療養中」以下 合計 182,000人(調整中を含む)

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Ⅲ.結論 

(1)感染リスクの高さ

  オミクロン株を中心とした感染第6波はこれまでの従前株の感染拡大期とは比較にならない感染リスクがあり、しっかり感染症対策・注意をしている「自分自身」であっても感染してしまう可能性がある。

(2)感染発生時の負荷とリスク

現状は講師・スタッフ、受講生の感染に伴う負荷やリスク(家族への感染、職場・職業への影響、基礎疾患のあるものの重傷化、後遺症の懸念など)が大きいことを考慮しないとならない状況である。

 

  都岳連としては以上のように感染リスクの高さ、感染時のリスクや負担が大きいこと(公益法人として信用などの毀損、直前の事業停止時のキャンセル費用負担、感染者対応や保健所への連絡などの対応負荷)から、冒頭1,2の判断を行なったものです。

  都岳連役員並びに講習などへの参加者、関係の皆さまのご理解をお願い申し上げます。