KP.3によるコロナ感染症が拡大しています

これまでにない強い感染力と、重症化のスピードが速いなどの特徴があります。
以下の都岳連の感染症対策を精読のうえ、登山をするときや講習会に参加するときは感染しないよう、感染させないよう十分にご注意ください。

2024年8月7日

登山者の皆様
講習会参加の皆様
役員 各位

公益社団法人東京都山岳連盟
会長 廣川健太郎 

KP.3流行拡大を踏まえた感染予防対策について

標記の件について、新型コロナウイルスの新しい株であるKP.3の感染が急速に拡大している状況を踏まえ、公益社団法人東京都山岳連盟の業務と事業を行うにあたっての対応を以下の通りといたします。皆様のご理解とご協力をお願いいたします。

※ KP.3  NHK首都圏ネットワーク、20240717より(一部文言補足)
夏場は冷房を効かせるために窓を締めきることもあり換気が行われにくく、マスクを外す人も増えることから感染が広がりやすい。さらに、オミクロン株の1種、「KP.3」と呼ばれる新しい変異ウイルスが広がっていることも要因の1つとみられる。「KP.3」は「JN.1」から派生したウイルスで、日本だけでなく、欧米などの北半球で流行の主流になっている。従来のウイルスよりも▽過去の感染やワクチンによる免疫を逃れる能力が高いことが分かっていて▽感染力がやや強いという報告もある。症状の重さなどについてはこれまでと変わらないとされているが、直近の厚生労働省のデータでは新型コロナによる入院が増えていることもあり注意しておく必要がある。

1.現状(沖顧問ドクターからの報告)
 1)KP.3については、日々新しい知見が得られており、1週間前に提供した情報とは異なっている。ついては、以下最新のものとして理解し、かつ、今後も諸情報がアップデートしていくとみて対策を策定していく。
 2)KP.3と言う新しいウイルス株による第11波と言うべき感染拡大状況になっている。

 <KP.3の特徴として>
 これまで最も感染力は強いというのが、現場の医師らの見解。
 潜伏期間が長い(従来は約5日程度)。また、感染経路を特定するのが困難、どこで関したか不明であることが多。
症状が悪化するスピードが速い。
発熱、せき、のどの痛み、が主な症状。また、血中酸素飽和濃度が顕著に低下する。
(病院では93%以下だとシビアな状態と診る。平常時の自分の血中酸素飽和濃度 を知っておくとよい)

3)報道では大きく取り上げられないが、呼吸器疾患患者を受け入れている医療現場はKP.3による多くの患者の診療、入院受入れの対応が厳しい状況になってきている。

4)高齢者で基礎疾患があり重症になって入院される方3人のうち一人程度が亡くなるケースがある。

5)夏風邪と考えて来院するが、結果的にコロナの陽性である場合が多い。特に、山行前はコロナ感染を疑うことが大事。

6)2類当時のようなコロナ感染への危機意識のようなものが感じられない。また、5類移行後は全数調査は行われておらず、実際の感染状況は未知。国からは特別な注意喚起や対策の指針等のアナウンスはない。また、自治体によっても対応はまちまちである。

7)山岳地帯は医療機関と遠く離れ、緊急時にはヘリでの搬送が必要になる特殊な環境下であり、その中で事業を進
  める都岳連では、しっかりとした対策を講じておく必要がある。

2.受講者へ周知し、お願いすべきこと ※ 文末<参考資料>参照
 <基本方針>
  1)マスク着用などの基本的感染症対策は個人の選択と判断を尊重するものとする。
  2)ただし、第11波とも捉えられる感染拡大状況下にあることを踏まえ、以下策定した感染症対策について、都岳連スタッフが率先して対応し受講生や都岳連主催イベントの参加者へ周知と協力依頼をする。HPや毎月のニュースレターで広報する。
  ※ 文面は総務部で作成

  3)講師等の事業担当に対しては、現状の感染状況を踏まえ、より高度の感染予防のための行動を要請する。

<KP.3流行感染のリスク>
  1)KP.3の特徴として既に感染したことや、ワクチン接種による予防が期待できない。抗体をすりぬける特徴があるとみている。
  2)夏風邪などと類似しているケースが多くKP3.か否か判別が難しいこと。なので、自己判断は危険。特に、
  「これくらいなら山に行っても大丈夫」は危険。
  3)高齢者でかつ基礎疾患があるものは重症化、死に至るリスクが高いこと。そのほか、後遺障害発生やその継続などのリスクも考慮して置く必要がある。

<感染症対策>
  1)マスクの着用について
   ①屋外の実技講習、かつ、夏季においては熱中症対策とのバランスを考慮し、マスクの着用は要請しない。
   ②貸切バスでの移動中や山小屋などでは、マスク着用を呼び掛け、それが困難な場合は大声での会話を慎むこと、三密の回避をお願いする。
   ③机上講習会など屋内の会議室で行う場合も原則は①と同様とする。ただし、換気が十分にできない、三密回避が困難などの場合は、マスクの着用をお願いする。

  2)都岳連事務局会議室の利用について
   ①受講生20名以内の利用を可とする。感染状況を説明の上、ZOOMによる参加も呼びかける。
   ②対面の際、開始前からの換気を十分に行い、入口での手指のアルコール消毒をお願いする。
   ③マスクの着用については、1)の③と同様とする。

  3)実技講習での感染症対策について
   ①屋外であるものの山岳地帯という特殊性を踏まえ、手指の消毒、大声での会話をしない、三密回避などについて、受講生へ周知し理解を求める。体調不良の場合は、参加を見合わせるよう周知する。また、その際は
    受講料を返金
する。
   ②健康観察表などの提出は求めないものの、受付時と出発時での体調の確認を行う。
       特に、発熱、咳やのどの痛み、倦怠感などの不調が確認された場合は参加を見合わせる。また、パルスオキ
    シメーターで血中酸素濃度からの健康観察を行う。
   ③山小屋などでの懇親会については、3)①に基づき良識の範囲内で行う。
   ④家族など身近なところにコロナ陽性者がいる場合は、参加を見合わせるよう要請する。

  4)その他の対策
   ⓵当面の間は講習会など募集時点で、上の感染症対策について周知し協力を要請する。マスクや手指消毒グッズなどは使用するしないにかかわらず持参をお願いする。
   ②事務局入口、各講習会受付にはアルコール消毒液を用意する。
   ③実技講習の場合はリーダー装備として、体温計やパルスオキシメーターを用意する。

<名古屋大学医学部HPより> 運動中の酸素飽和濃度について
 標高1800m程度で酸素の量(=気圧)が20%程度減っても、安静状態では酸素飽 和度はほとんど平地と変わりませんし、呼吸もほとんど上がりません。しかし2500mくらいになって酸素の量が平地より27%も減ると、酸素飽和度は急激に低下し始め、92%くらいなります。ここでやっとセンサーが効き始めて呼吸を上げるように仕向けます。
     酸素飽和度は平地の安静で98%程度が正常値で、病院では90%を切ると危ないと言われますが、富士山頂で測る
   平均で80%くらいまで下がります。しかも個人差が大きく、60%台の人から90%台の人まで様々で、低くても全然平気な人もいます。

3.その他

運営委員会及び理事会など都岳連内部の会議は、上記基本方針及び対策に基づき、対面開催をベースとする原則を踏まえつつも、これまでと同じくZOOMとの併用も可とし継続する。

<参考資料> 厚生労働省HPより 「新型コロナウイルス感染症の5類感染症移行後の対応について」2023年4月28日

 個人や事業者が自主的に判断して実施する際は、以下の内容について参考にして下さい。
<基本的感染対策の考え方>

基本的感染対策

考え方

マスクの着用

個人の主体的な選択を尊重し、着用は個人の判断に委ねることを基本。
一定の場合にはマスク着用を推奨(下記参照)

手洗い等の手指衛生

政府として一律に求めることはしないが、新型コロナの特徴を踏まえた基本的感染対策として、引き続き有効

換気

「三つの密」の回避
「人と人との距離の確保」

政府として一律に求めることはしないが、流行期において、高齢者等重症化リスクの高い方は、換気の悪い場所や、不特定多数の人がいるような混雑した場所、近接した会話を避けることが感染防止対策として有効(避けられない場合はマスク着用が有効)

  • マスク着用を推奨する場面等: 高齢者施設、病院、混雑した電車・バスの車内など

資料2 KP.3感染拡大の状況での対策について0807