マウンテンスクール第4回・第5回 八ヶ岳アイスクライミング基礎講座 実施報告

【アイスクライミング基礎講座第1回】

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2015年度は日本スポーツ振興センター(JSC)のスポーツ振興くじ助成を得て、都岳連では初めてのアイスクライミング講習会を12月下旬に開催しました。
参加者は雪山教室OBの方、初めて都岳連の講習会に参加された方など、年末近くの開催のため参加者は6名と少人数でしたが、しっかりと練習をすることができました。

2日目、ジョーゴ沢大滝を全員が登ることができた

実施日程と行動概要

第一回 2015年12月26日(土)~27日(日)講師3名、参加者6名

26日 ジョーゴ沢下部での基礎訓練 曇り低温

午前 美濃戸口バス停に集合の後、赤岳鉱泉まで移動

午後 ジョーゴ沢のF1及びF2手前右岸のルンゼにてアイゼンワークと60~70度までのダブルアックスの基礎練習を薄暗くなる直前まで行ないました。 当初は赤岳鉱泉の人工氷瀑アイスキャンディで基礎訓練を考えていましたが、暖冬のため登攀可能な部分が少なく、先に練習をされている方も多く、ジョーゴ沢での訓練に切り替えて行ない、参加者の方、初めての方も含めて60~70度までの氷瀑は安定して登れるようになりました。この日は冬型の気圧配置のため、風もあり、気温も低い中の練習でした。

27日 ジョーゴ沢大滝までの実践登攀訓練

午前 ジョーゴ沢を登り、ナイアガラの滝、大滝まで実践登攀訓練を行ないました。F2で60~70度の登攀のおさらいをしてF3を越えて上部ゴルジュ帯へ進み、右岸支流の小ヴァーチカル、ナイアガラの滝を各自2~3回登ってから、今回の核心部となるヴァーチカルで始まるジョーゴ沢大滝を全員が登りきることができました。

午後 赤岳鉱泉に戻り、美濃戸経由で美濃戸口まで下山し、八ヶ岳山荘で振り返りのミーティングの後、解散。

 

ジョーゴ沢 ナイアガラの滝ジョーゴ沢 ナイアガラの滝

この日は朝方は冬型気圧配置の影響で寒気が強かったが回復の方向のため、混雑が予想される人工氷瀑ではなく、ジョーゴ沢を大滝まで登ることとした。昼前には青空が広がり、天候も回復する中をジョーゴ沢大滝を登ることができた。

<講習カリキュラム>

(1)アイスクライミングの用具と使い方
(2)アイゼンワーク ~フラットフッチィング、フロントポインティング
(3)アックスワーク ~シングルアックス(傾斜50度位まで)、ダブルアックス(傾斜50度以上)、カッティング
(4)ダブルアックスでの登攀
(5)トラバースとクライムダウン
(6)支点のセットと回収

【アイスクライミング基礎講座第2回】

岳連では初めてのアイスクライミング講習会を12月末の開催のため、参加できなかった雪山教室講習生の皆様から、再度の開催・参加希望を頂き、二回目のアイスクライミング基礎講座を2月末に開催しました。
参加は雪山教室の参加者、OBの方が中心でしたが、初めて都岳連の講習会に参加された方が講習参加に合わせ都岳連個人会員に登録頂くなど、アイスクライミング講習開催により、都岳連を認知して頂くことができました。

南沢小滝前にて

 

第二回 2016年 2月27日(土9~28日(日)

27日 赤岳山荘の人工氷瀑、室内壁での基礎訓練 講師4名、参加11名 

午前 美濃戸口バス停に集合の後、赤岳山荘まで移動

午後 昼食後、赤岳山荘人工氷瀑を参加者を3班に分け、ロープを5箇所にセットし、様々なラインを70~80度の傾斜まで繰り返し練習を行なった。人工氷瀑での練習後、赤岳山荘別棟3階の室内壁でドライツーリングの練習を行ない、アックスに荷重をかける感覚、トラバースでの体の動かし方、重心移動を体験した。
初日の講習で参加の皆さんとも70度位までの傾斜を登れるようになった。室内壁でのトレーニングも参考になったとのアンケート回答を多く頂いた。夕食後はアイスクライミングのスライドで様々なを氷瀑を紹介した。

赤岳山荘の人工氷瀑

28日 赤岳山荘人工氷瀑~美濃戸口河原の氷瀑、氷柱の登攀訓練

午前 赤岳山荘の人工氷瀑の主に垂直部6箇所にロープをセットし、初日と同様に3班に分かれて交互に練習を行なったのち、11時着で美濃戸口河原のアイスゲレンデに移動した

午後 昼前から15時前まで河原の氷瀑、氷柱の5ラインにロープをセットし、自然の氷瀑、氷柱での実践的な練習を行なった。皆、熱心に登り、氷柱も講習生のうち4名の方が登ることができた。15時過ぎに八ヶ岳山荘に移動し、ミーティングの後、解散。

28日、2日目は美濃戸口の氷柱にも挑戦

講師が4名いたため、2名が美濃戸口のアイスゲレンデに先行移動して、参加メンバーが移動してくる間にロープをセットして、到着後すぐに練習ができるようにした。
また、氷瀑と氷柱の間、周辺とも足場が凍っており、転ぶと危険なため、フィックスロープをセットして安全を確保した。なお、複数のラインで同時に練習できるように固定ロープ、ワイヤー等を使い、安全かつ合理的な位置に支点がセットできるように支点工作を行なった(日山協共済会交付金事業)。

<講習カリキュラム>

(1)アイスクライミングの用具と使い方
(2)アイゼンワーク ~フラットフッチィング、フロントポインティング
(3)アックスワーク ~シングルアックス(傾斜50度位まで)、ダブルアックス(傾斜50度以上)、カッティング
(4)ダブルアックスでの登攀 ~人工氷瀑、自然氷瀑の違い
(5)トラバースとクライムダウン ~トラバースは室内壁で体験
(6)支点のセットと回収
(7)様々な氷瀑、アイスクライミングの魅力をスライドで紹介

4月初めに行なった第三回アイス講習

南沢小滝

最後は全員が南沢大滝に挑戦することができました。