2003年度第4号(1)

日本山岳耐久レースの第12回大会に向けて

副会長 森川 洋祐

 平成16年度の大きな行事に、11月20~22日に奥多摩山域、高尾山周辺で、(社)日本山岳協会(略称: 日山協)主催、東京都山岳連盟(略称:都岳連) 主管によって行われる「第43回全日本登山体育大会(略称:全日大会)」と、自前の大会である「第 12回日本山岳耐久レース(10月10~11日)」があります。

その後者「耐久レース」を担当する一人の森川です。 平成5年の第1回は第10回記念報告書にも記載 されていますが、小和田の青少年旅行村をスター ト・ゴールに左回りで行われました。NHKが出場選手のトレーニング状況を放映したり、民放2社が取材に入りそれにタレントが参加してにぎに ぎしく終えることができました。

しかし、計画から実行までの試行錯誤や大会中 のトラブル処理は、皆さんの知恵で克服したもので、現在に生かされています。加盟団体や有志からの拠出金、スポンサーの応援で始めた大会も、 運営役員200余名で11回までつづきました。第1回大会金庫番のザックの後ろ姿が懐かしく感じら れます。本年の話に入る前に、自分の体験したこ とを少々書いておきます。

第1回は、本部で仕事をする傍ら、受付やスタート時の混雑整理、また緊急要員として変電所を過ぎてからの行方不明者捜索やゴールまでの誘導 に当たりました。もともと山屋の発想で、あんな所で迷うはずがないという前提でいましたから、 稜線から救助隊員が転落したときでも、やったかと、選手の通過した場所の若い役員を、救助隊の救助に廻したものでした。

第2回の時は、現在の右まわりになりましたが、 本部はまだ青少年旅行村でしたから、いかに時間差の大きい長い集団を、山道から街道(警察署・ 消防署近辺」へ下りて、交通量の多い道を渡らせゴールへ導くかが、本部待機要員の終了まぢかの苦労話でした。

それ以後は本部態勢や稜線に張り付く方々もなれてきて、各部署での機材と配置要員の割り振りが、見えるようになりました。小生も、大会によって張り付く場所が異なり、コースを点検しながら三頭山 エスケープルートの番をしたり、豪雨の第3関門で計測をしながら、低体温症にかかる寸前の選手 をシュラーフで暖めたり、醍醐丸からリタイア選手の付き添い下山する役員の補充で、夜中に本部 から登ってスイーパーを見送り、翌日のコース整理にそのまま参加するなど、皆さんの苦労の一部 でも分かち合えたかなと思っております。

このところ数年は、第1関門で計測の補助や、周辺コースでの選手への声かけ、歩行困難者の収容、リタイア者の対応などを経験させていただきました。自分の会の配置は、日の出山周辺から西原峠・数馬と移りましたが、前の週のコース整備時には一緒に歩くよう心がけています。

第11回から関門業務担当の山岳会・クラブが変 わりましたが、いかがでしょうか。永年担当され た山岳会が10年を機に、人員構成等の理由や環境の変化で交代を致しました。

やはり永年担当した ノウハウは貴重なもので、人員配置や機材のみでは判断できないご苦労があったものと思います。 マニュアルばやりですが、担当される山岳会・ク ラブの方々の情報収集による判断が、稜線上における運営処理に生かされますよう願っております。

さて五日市町があきる野市になって数年たちますが、昔の町役場は出張所となっていたり、五日市会館の管理運営母体も代わっています。会館周辺の駐車場も公共設備の付随となっているため、 私どもが独占することはできないのです。昨年、 参加者が多かったため小学校もお惜りしましたが、 役場を通して教育委員会にお願いするようになっ ています。

周辺住民からは、夜中のゴール周辺コースの騒音、違法駐車などで苦情が出ているだけではなく、 警察への訴えという形での問題点も出てきております。夜半から朝にかけての本部人員は、大会へお手伝いいただいている町内会の方々は帰宅して いますから、限られた数に下がってしまいます。スタートから小和田への周辺、金比羅尾根から ゴールまでの町内には、大会役員が手分けしてご 了解を得られるよう毎年回っておりますが、度を超さないよう参加者・応援団に徹底したいと思い ます。

大会をやる以上、周辺が潤わなければ、よい顔 をするわけがありません。事前宿泊、駐車場、食料調達などの利用は、営業が前提ですので、宣伝をしましょう。大会をするのは知っていたが、 開催日は知らされていないといわれました。

本年は、大会地図に七曜表を付けたポスター 作りましたので、町に配る予定にしております。 実は、一般登山者の入下山地に大会日時の看板毎年張ったのです。
11回大会は、大会要項の表を拡大して使用しました。これは稜線には八王市・神奈川県・山梨県からの入下山もあります ら、そちらへも回って設置し、清掃登山の時に収しました。

武蔵五日市駅前の公共広場を大会の時、駐車 として借用することになりました。先の違法駐車 の問題は解決するかも知れませんが、乗り入れ数の予想がつきませんから、有料駐車場も確保し ます。 これから5ヵ月、都岳連にとっての準備もあ ますが、その後に、全国から400人が参加する 全日大会も手が抜けません。耐久レースは例年のように10月上旬ですが、締切は8月15日としました。 5月の評議員会後に役員編成は決まりますが ご理解とご協力をお願いいたします。