2006年度第3号(1)

いよいよ社団法人東京都山岳連盟が誕生しました

副会長・事務局長 本木 總子

  遅ればせながら新年おめでとうございます。 森川洋佑副会長が9月に急逝されたため、後任 の副会長を拝命いたしました本木總子(もときふさこ)です。よろ しくお願いいたします。私事ながら昨年3月、無事に停年を迎え40年余り勤務しておりました私立高等学校を辞し、山と向き合う時問が増えたことからお引き受けいたしましたが、事務局長と兼任ですので、大任が果たせるか一抹の不安を感じております。微力ながら精一杯の努力をして行きたいと思いますので、皆様のご指導ご鞭撻をよろしくお願い申し上げます。

平成19年の年明け早々大変嬉しいニュースがあります。昨年、暮れも押し迫った頃、主務官庁の東京都教育委員会からの法人設立認可が下り、任意団体の東京都山岳連盟は平成18年12月27日付で 念願の社団法人東京都山岳連盟になったのです。 早速、1月11日に東京法務局へ設立登記の手続きも完了いたしました。二年に亘る理事会での話し合いと担当役員の奔走のお陰ではありますが、何より加盟団体の皆様のご支援ご協力、後押しがあったからこそと、ここに深く感謝申し上げます。

法人設立は終わりではなく、新たなる出発点です。定款に謳った法人の目的「正しい登山を指導普及して、その健全な発展を図り、あわせて登山 を通じて広く都民の体育の振興に寄与する」をいかに事業の中で具現していくのか、公益性のある活動がこれまで以上に問われます。役員一同頑張 っていく所存ではありますが、加盟団体の皆様には更なるご協力とご助言をよろしくお願い申し上 げます。

殊に正会員の方は、年に二回の総会への積極的 な参加をお願いいたします。今まで年に一回5月 に評議員会を開催しておりましたが、これからは 決算総会が義務付けられております。さっそく2月28日(水)に平成19年度予 算総会を開催する予定で す。その席で平成19年度の事業計画と予算を決定 して東京都教育委員会に届け出なければなりません。後日、招集状で詳しくご案内いたしますが、 総会の成立には正会員の1/2の出席(委任を含む) が必要です。正会員の皆様には万障お繰り合わせの上ご出席下さいますようお願い申し上げます。 ご出席できない場合は、同じ団体に所属する代理人の出席も可ですし、他の正会員への表決委任も出来ますのでその手続きをお願いいたします。

また、社団法人となった東京都山岳連盟では事業・会計・会議の記録など各種書類は、これまで以上に正確さが求められます。事務局はもちろんのこと各専門委員会でも事務的な仕事が増えると予想されます。意欲的な方、地道に取り組んで下 さる方の参画を期待したいと思います。

このような事務的な仕事は女性にも向いている のではないでしょうか。1994年にイギリス・ブラ イトンで発表された、「スポーツのあらゆる分野 で女性が最大限に参加することに価値を認め、そ れを実行可能にするスポーツ文化を育む」ことが 目的で宣言されたブライトン宣言を受けて、各スポーツ団体では女性の参画を進めようとしている ようです。

(財)日本オリンピック委員会では女性ス ポーツ専門委員会を設けてIOCの「2005年末までに各スポーツ団体における女性役員の構成率を 20%にする」との目標を各スポーツ団体へ呼びかけ、アンケート調査を行ってきましたが、2006年 の調査結果では全スポーツ団体の役員合計で見ると女性の占める割合は6.7%と一割にも満たないことが分かりました。

登山界について見ますと、 近年増加中の中高年登山者は元気な女性の数が多 いように思われます。また、昨年は東海大学隊が 世界第二の高峰K2に20代前半の男女二人の隊員 が無事登頂したという喜ばしいニュースを聞きま した。このたび朝日スポーツ賞を受賞されました が、そのリーダー格の小松由佳さんのように気力 ・体力・集中力そして感動する心を併せ持った女性登山者は多くその活躍は目覚しいものがあります。

このように女性登山者や登山愛好家が目立つ昨今ですが、都岳連には女性役員が少ないのが現実です。折に触れ、専門委員会や日本山岳耐久レースなどで活躍している気配りのある有能な女性をお見掛けしております。そのような方々がさ らに増え、積極的に都岳連の運営に携わって頂けたら、さらに幅の広い社団法人東京都山岳連盟と なるのではないでしょうか。女性の参画を心待ち にしております。