2007年度第1号
新年度を迎えて
会長 森谷 重二朗
ちょうど1年前のこの欄のご挨拶で私は、『本年は都岳連にとって歴史的なターニングポイントの年になるだろう』と高らかに宣言しましたが、お約束のとおり、東京都から社団法人の許可を受けて社団法人東京都山岳連盟を設立しました。
詳しく申し上げますと、公益法人の設立日は、主務官庁の設立許可指令書の到達した日とされています。東京都教育委員会から平成18年12月27日に設立許可書が交付され、翌日28日に東京都山岳連盟に手渡されましたので、平成18年12月28日が社団法人東京都山岳連盟の設立日となります。正月休み明けの1月5日に東京法務局へ登記手続きを済ませ、平成19年1月11日には登記が完了し、登記簿謄本や印鑑証明の交付が可能となりました。
これまでの東京都山岳連盟には法人格がありませんでしたが、社団法人東京都山岳連盟ではヒトの人格と同様に、法人格を有するようになります。このことは、私たちの団体にとってはこれまでとはまったく違った意味を持ち、広く国民、都民の中で、法的義務と責任を果たして行かなければならない環境となりました。特に立候補されて、都庁、法務局に登記された理事は、全員で平等な責任を背負い、裁判事案、あるいは負の財産が発生した場合は、それに対処し、解決をしなければなりません。
厳しいことをいうようですが、スタートラインに立った今が大切な時であり、都岳連一致まとまって、これまで以上に気を引き締めて進めて行きたいという私の所信表明でもあります。
おかげさまで、6月23日に代々木の国立オリンピック記念青少年総合センターで社団法人東京都山岳連盟設立記念式典を開催させて頂きましたが、全国から山岳関係者およそ210名と韓国ソウル市山岳連盟から来賓のご参加を賜り、盛大に開催をさせていただきました。ひとえに皆様のお力添えと感謝申し上げます。
さて都岳連は、法人になりましたと申し上げてもそれは一つの通過点であって、まだまだこの先、問題は山積しております。都岳連事務所問題、登山研修所問題、山岳共済等々枚挙に暇がありません。特に山岳遭難共済制度については、金融庁改正保険業法により、いま最も厳しい現状に立たされております。これに対する施策が本年度の私の最大の課題になるものと想定しております。
一方嬉しい事としましては、本年第15回大会を迎える日本山岳耐久レースの人気が急増していることです。来年度より国体種目から縦走競技が無くなるということに反し、都岳連主催のこのレースには毎大勢の参加者で有難い次第です。苦しくても長距離の尾根道を縦走して完走する満足感、充実感はやはり何ものにも代え難いものがあるのでしょう。
参加選手および皆様の喜びの笑顔に支えられて、私は本年度も頑張ります。