2007年度第3号
社団法人1年生を振り返る
事務局長 山本春雄
ちょうど一年前の暮れの12月28日に東京都山岳連盟は東京都教育委員会から社団法人設立許可証が交付されました。当時公益法人設立準備室長の私は代表して都庁第二庁舎30階の教育委員会へ平成18年仕事納めの12月28日にその許可証を受け取りに行きました。
そして正月明け5日に九段下の東京法務局へ設立許可証を添付して社団法人東京都山岳連盟の登記に行きました。あれから一年がたち都教委の管理の下で、何とか無難に過ごせてきたかなあという感じですが、新人法人を甘く見ていただいた一年という感想です。
2月には次年度の事業計画や予算を総会で決定して3月末までに、決められた書式で都教委へ提出しなければなりません。この法人は単年度決算ですので、3 月末の資産を総決算して毎年法務局へ資産変更登記をしなければなりません。またこの一年に理事の変動があった場合も法務局に役員変更登記をしなければなりません。その登記簿謄本を30日以内に都教委へ提出する必要もあります。また5月には前年度の事業報告、会計決算を総会で決定して、30日以内に都教委へ提出しなければなりません。
この一年何とかあえぎあえぎ、これらの事務処理を事務局はクリアしてまいりましたが、ここまで多くのクレーム、課題を都教委から受けています。法人初年のために相当に甘く見ていただいたという感想です。ちょうど一年を過ぎた今年からは、各書類提出に関しては、厳しく指摘され、やり直し命令を受けることもあるでしょう。我々は今年こそ理事全員が肝に命じて社団法人東京都山岳連盟の信頼性、安心感を都教委のみならず、多くの一般都民の皆様に与える必要があります。
我々は都岳連60年の歴史に基づいたプライドも持ち合わせておりますので、都教委の要求程度に怯むことなく、粛々と彼らの要求どおりの事務処理を進めて参りたいと考えております。是非担当セクションの皆様にも事務局のスタンスをご理解いただき、停滞することなく協力をしていただきたいと思います。本年夏には都教委から始めての監査も入りますのでよろしくお願いを申し上げます。
さて、森谷重二朗体制の都岳連で法人設立は大きな課題の一つに掲げていましたが、大きな問題は他にも多々あり、緊急課題の一つは平成18年4月に施行された改正保険業法で、都岳連は本年平成20年3月末で新規の都岳連山岳遭難共済制度の募集が出来なくなります。しかし、担当プロジェクトチームの努力によって、年末にこれに変わる新しい法人「日本山岳救助機構合同会社」(略称JRO)が発足、法務登記されました。このJROが行う遭難費用実費を全会員が事後に公平分担するというカバレージ制度はまさに、今回の法律改正で窮地に陥っていた都岳連遭難共済制度の救世主といった感じがいたします。本年はこの制度をスタートさせて、1年後、2年後への発展に結びつける大切な一年となるでしょう。
JROは都岳連から離れた組織になりますが、会員全体でこの制度を大事にして発展させていただきたいと考えています。