第2回加盟団体シンポジウムのご報告
昨年度第1回シンポジウムでは、東京都山岳連盟(以下、都岳連)の現状説明、様々なタイプの山岳会の活動報告をいただき、グループ討議を行ないました。
今回は日本と海外の登山界の現状を情報共有した上で、パネラーから異なる視点で提案や報告頂き、討論を進める形でシンポジウムを進めました。
パネルディスカッション
(久保田賢次氏)一説には約800万人とも言われる日本の登山者の多くは、会には入らないが登山を愛する未組織登山者。「登山を学びたい」という人は多いが、既存の山の会への入会は、敷居が高く感じているようだ。一方SNSで集う山の会は入退会自由で隆盛を博している。この溝を埋めていくのが課題。(若村勝昭氏)加盟のメリットが直接感じられるよう団体分担金と個人会員会費に対し、同額のポイントを与え、講習会参加費の一部として使えるようにしてはどうか。都岳連からの情報が会長止まりになることも防げる。(山中日出夫氏)4年の登山歴。都岳連の講習会やイベントに参加してきたが、学ぶことも多く楽しく良い経験をさせてもらった。(森山淳一氏)SNS山の会「山が好き」の会員は2.9万人。支部制を引いている。専門性のある会員を講師に講習会や、会員の実力を確認する意味を込めて山行前に親睦会を開いている。景信山で餅つきなど親子参加も可能なものまで企画に工夫を凝らしている。(廣川専務理事)欧米をモデルにした現個人会員を中心とした都岳連全体のクラブ活動と既存の山の会のサポートを進めたい、2つの間は人の行き来が双方向ある形を構想している。また、市民登山、子ども登山学校、障害者サポートなどより公益性の高い事業を開発することで新たな人財の参加も期待できるのではないか。
グループ討議
- 都岳連には救助隊があり万が一の場合ぶ頼りになる、これが一番のメリットと会員に説明している。加盟で得られるサポートや安心をHP,メルマガなどでアピールすべき。発信が弱い。
- 山の会に新しい人が入らない。個人会員にもならない。しかし、講習会の受講生はたくさんいて受講生同士のつながりはある。山に行きたい人、スキルアップしたい人の受け皿作り、まとめ役、世話役が必要。
- 登山者へのアプローチや勧誘の仕方に問題はないか。日本とドイツの差(4万人対100万人)はどこから来るかを考察すべき。
- 都岳連通信や文書類は会長(連絡担当者)止まりには。加盟団体会員都岳連はあまりよく見えない存在。情報が伝わらないのは都岳連のPR不足もある。
- 所属の垣根を越え交流を図りたい。イベントや講習会への期待も大きい
- 高齢でも山が好き、行きたい人がいる。そうした高齢者向けのイベントが欲しい。
- 個人会員の権利を具体的に見直すことを提案する。
- 土日以外の講習を開催すれば参加する人も居るのではないか。
- 山の保全や安全活動に入山料を活用した組織的な活動もあるのでは。